治療方法は様々
乾癬の治療法は、かなり進歩してきましたので、最近は治療法の選択肢が昔に比べて増えています。
治療法は大きく、①炎症(かゆみ・はれ)を直接抑える ②異常な皮膚の増殖を抑える の2つに分けられます。
さらに細かく分類すると、①には「外用薬(塗り薬)」と「光線療法」、②には「内服療法(飲み薬)」と「生物学的製剤の注射」という治療法があります。
患者さんそれぞれの症状・生活スタイルに合わせて治療していきます。
また、必要に応じて血液検査をおこなう場合もあります。
炎症(かゆみ・はれ)を直接抑える治療法
外用薬(塗り薬)
軟膏(塗り薬)を皮膚に直接塗り、炎症を抑える治療法です。ほとんどの患者さんは、まずはステロイド・ビタミンD3製剤の外用(塗ること)から始めます。症状・部位によって、塗る量・薬の種類を切り替えます。ステロイドとビタミンD3製剤がミックスされた外用薬もあります。
光線療法
光線療法とは、ランプを使って紫外線を照射し、炎症を抑える治療法です。種類としては、使う紫外線の波長によってナローバンド・UVB療法・エキシマライトなどがあります。 紫外線は乾癬に良いとされているので、適度な日光浴はおすすめです。
異常な皮膚の増殖を抑える治療方法
内用療法(飲み薬)
乾癬に特化した内服薬(飲み薬)によって治療するのが、内服療法です。シクロスポリン・オテズラといったものがあります。これら2つは、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。かゆみを伴う場合は抗ヒスタミン剤も服用します。
※免疫反応とは、外部からの侵入(ウイルスや花粉など)を追い出そうとする働きのことです。
生物学的製剤の注射
生物学的製剤の注射は、細胞間の伝達を担う物質「サイトカイン」に直接作用し、活動を弱めることで乾癬を治療しようとするものです。乾癬の原因の1つはこのサイトカインの働きによるものと考えられているからです。ただ、本当に重症・難治性な場合は生物学的製剤を使用しますが、検査・治療法・施設の制限などでハードルが高いため、すぐに受けられるかどうかは医師との相談が必要です。